研究内容

複合材料の等価介在物法による特性予測

複合材料とは二種類以上の素材を組み合わせそれぞれの素材の持つ特性を取り込んで複数の特性を持たせたり、組み合わせの相乗効果によって新しい特性を発揮できるよう工夫された材料の事です。複合材料は錆びない事など利点も多いため航空宇宙分野、スポーツ分野、建築分野などの材料として使われています。しかし、廃棄物の処理方法等の環境負荷の問題があります。また、最近になって複合材は電気デバイス用の材料として求められており、その熱的な性質に対する情報は重要です。しかし熱伝導率の異なる材料を複合しているため、熱異方性が生じ、その温度分布状態は複雑になります。そこで強化材の形状および配向を考慮して伝熱特性を推算する等価介在物法を用いることにより、使用目的にあった複合材料の設計が可能となります。
  この方法は、従来の方法では考慮しづらかった相互作用を正確に考慮することができ、様々な複合材料の物性予測が可能になります。

熱物性顕微鏡を用いた微小領域の熱的な性質の測定

近年、半導体素子や光ディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなどの大容量記憶媒体では小型化が進んでいます。回路の能力を向上させることにより、消費電力が大きく増え、その電力は大量の熱を発生させます。このため回路などを開発する際には廃熱を考慮した設計をすることが必要不可欠です。回路の設計をするにあたって、発生した熱エネルギーの流れ方などを知るために、熱物性値が必要になってきます。
そこで本研究では大きさが数百nm~数μmの領域の熱物性値の測定が可能な熱物性顕微鏡を用いて研究を行っています。
 熱物性顕微鏡は、局所周期加熱法とサーモリフレクタンス法を組み合わせることで、マイクロメートルスケールでの熱物性の測定が可能な装置です。
 測定の際に、試料に非接触で熱浸透率分布の測定や測定周波数を変化させることで厚さ方向の熱浸透率の評価も可能です。構造による表面の熱的な性質の分布を求めることもできます。装置の写真と概略図を図1,2に示します。

図1 熱物性顕微鏡
図2 熱物性顕微鏡の概略図

超高温溶融珪酸塩の熱伝導度測定

製鋼スラグやモールドフラックスは珪酸塩を主成分にしており、高温状態での熱的な性質を知ることで金属精錬の高純度化、連続鋳造の高効率化を図ることが出来ます。

1000℃以上の超高温融体の熱的性質の測定は熱放射と対流の影響から困難となっています。本研究室ではこれらの影響を受けない高温融体用表面加熱/表面測温レーザフラッシュ装置を開発し、この装置を用いて超高温珪酸塩の測定を行っています。
 溶融状態の試料が入ったセルに加熱レーザを一瞬だけ当て、加熱後の温度減衰の様子を赤外線検出器により測定します。温度減衰の速度から試料の熱の伝わる速度を求めます。
 様々な組成の珪酸塩の測定を行うことで、組成や構造による熱伝導率の変化を明らかにすることを目指します。

図3 表面加熱/表面測温レーザフラッシュ原理図